パンツは履いておけ。

この世は乱世

父親になりたくないのだ症候群

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例の不倫したい男性に密着してみたよシリーズです。

前記事を未読の方はこちらからお読みください。

 

>>①男のちんぽは何のためにあるのか

>>②不倫希望の男性と、スカイツリーの夜景を見に行って、添い寝してきた話。

 

※毎度のことながら、潔癖な方には向かない話だと思いますので、ご了承ください。

 

 

◇◇◇

 

 

 男性から子供が生まれたとの連絡がきた。私は彼に、父親になった心境を聞いた。

 

「おむつ替えを人生で初めてやった。赤ん坊って、こんな感じなんだ、って思った。でも、逆に言うとそれ以外にできることはないし、まだまだ親になった実感は湧かないんだよね。すぐに保育園に入れるつもりだし、俺の生活は変わらないと思う。」

 

 そんな淡白な文面がつらつらと寄こされて、私は勝手に悲しくなってしまった。

私は、人様の人生の一部を、善意で覗かせていただいている赤の他人なのに。――ただ、もし自分がその娘で、大きくなってから当時の父親の心境を知ってしまったら……と考えると、涙が止まらなくなった。時刻は午前二時半だった。

 

 

 私は頭にきて、

「無関心は最大の虐待です。良い父親になんかならなくたっていいから、娘さんのことをかわいがってあげてください。それだけでいいと思います。」

と男性に送った。マジで私何様なんだろう、と我ながら思ったが、言わずにはいられなかった。

 すると、男性から以下のような返事が、すぐに返ってきた。

 

 

「夫と父と男って、表裏一体なのは頭で分かっている。でも、そのうえで上手く切り離せないものなのかな。

俺はいい夫じゃないのはわかってるし、残った父と男としての二面を両立させることさえも、もはや不可能なのかもしれない。

つまり、まだまだ男でいたいと思う俺は、父親になれないのかも」

 

 

 眠さでぼうっとした私の頭は、彼の思考回路を受容しなかった。スマホを枕元に埋めて、その日は寝た。

 

 

◇◇◇

 

 

 とどのつまり、彼はまだまだ自分を「現役」でいさせたいだけなんだと思った。

 要するに、かわいい女の子がいたら手を出したいし、セックスしたいのだろう。それは前回の発言からもなんとなく察していたことだったし、結婚前も後も風俗やソープに通い、いろいろな女性とセックスをして、海外出張でも現地の立ちんぼの女性を抱いたと語っていた。ちなみに、不倫をしたいと思ったのは、年を重ねて性欲も多少落ち着いてきたので、初見の女性とのセックスよりも、ストーリーのある恋愛の延長にあるセックスをしたくなったかららしい。(いや、ぜんっぜん落ち着いてねぇだろ)

 

 申し訳ないが、この天衣無縫ぶりは、子供が生まれた人間の思考・振舞いとしては最低だと他者から非難されても、致し方ないことだろう。

(ちなみに、私はいい感じに人間の本能が剥き出しなこういう人は嫌いではない。上述と矛盾しているようだが、傍観者として見るなら面白いと思う。まあ、感情移入してしまうとこのように怒りがわいてきて、メンタルがズタズタにやられるので、絶対身内にいてほしくないタイプだが。)

 

 しかし、彼を一方的に責めることはできない。彼も、妻一家が権限を持った家庭の中で、子作りを強いられ、排卵日に出張などで外出していると罵られ、そんな状況下にあって父親になるしかなかったのだ。

 じゃあ、そんな嫁とそもそも結婚しなければよかったんじゃないか、と思う人もいるだろう。しかし、私の離婚した両親を含め、失敗者は往々にして「結婚する前はそんな人だと思わなかった」と語る。(こう考えると結婚前の同棲って大事ですなぁ!)

 そして、結婚した後に「はいさよなら」といって別れられるほど事態は単純でもなかったのだろう。

 そこらへんの複雑なニュアンスは当事者たちにしか理解しえないし、他人があーだこーだくちばしを挟むことではないのだ。

 

 

 ◇◇◇

 

 

 翌朝、夫がいつも通り、仕事に行くよと声を掛けてきたので目が覚めた。寝不足でその影しか捉えることができなかったが、ほっぺたにキスの感触が残っていた。(私が爆睡していてもこのルーティンは欠かさないらしい。)

 

 あんたも、もしかしたら、ほかの女と不倫したいと思ってんの?

 

と、一瞬思ったが、彼の嘘を隠し通せない性格と、甲斐性のなさでは無理だろうな、とすぐに馬鹿な思考は霧散した。

 

 私は寝ぼけ眼をこすり、男性にきついことを言ってしまった詫びのメールを入れた。