パンツは履いておけ。

いろいろはみだしてる人の人生備忘録

女子大生がパパ活市場に潜入しましたルポ

 

ジェンダー・社会学について勉強している大学生が、パパ活という社会現象(というか、女子大生のライトなセックスワークの手段の一つとなりつつある「アルバイト」) の実態について探るため、実際に出会い系サイトに登録し、パパ活をやってみたというだけのレポです。

 

 

 

 

 

 

 
 
 

 

 

パパ活とは?


ご承知のとおり、パパ活とは、若い女性が「パパ」と呼ばれる金持ちの男性(中年~年配であることが多い)とデートをすることでお金を貰う活動のことである。

援助交際とは違い、肉体関係なしで金銭のやり取りが発生するというのがポイントである。ソープやピンサロなどの風俗店およびキャバクラやガールズバーのいわゆる水商売に比べて敷居が低く、現在女子大学生の間でひそかにブームとなっている。

 

男性からしてみれば、「ヤれないし、食事代やデートに必要なお金を負担しなければいけないうえ、一日の終わりには報酬としてお小遣いをあげなければいけない」という最早プラマイゼロむしろマイの世界である。

しかし、それでも不思議なことに、「パパ」になる男性は常に一定数いる。

なぜ、男性たちは「パパ」になりたがるのだろうか?

その理由を探るべく、ガチでパパ活をやっている女性には申し訳ないが、少し「パパ活」市場を覗かせてもらうことにした。

 

 

 

 

出会い系サイトに登録!

出会っちゃうゾ~~



 

ちなみに私は、容姿に自信がない方である。

吾輩はブスである。

 

そんなわけで、自分に髪型と顔の輪郭が似ているモデルの写真を使用し、某大手出会い系サイトに登録することにしたのだった。

 

 使用した写真はこちら。

盛ってるっていうレベルじゃねーぞ

 

 

「ショートヘア かわいい」で画像検索して上から2番目ぐらいに出てくるやつである。

これにアコという偽名をつけ、私のアカウントは完成した。

 

 結果、1分も経たずアホみたいに男性陣から通知がきました。

  

しかも、年齢確認を終わらせていない段階*1で、まだ性別と名前と年齢しか公開していないうちから「今夜会える?^^」「ホ別2でどう??*2」などのふらちなメッセージがくるわくるわ。

 

だが、援交目的やヤリ目的は今回の趣旨に反するのでオール無視である。

プロフィールに「私の夢を応援してください☆」などとパパ活の希望者をほのめかすワードを書き込み、ダンディそうないわゆる「パパ」っぽい人からのアプローチを待つことにした。

 

 

釣り針を落とし小一時間後、有象無象のメッセージに紛れて62歳男性からのお誘いが

 

 

プロフィールのステキな写真に惹かれてやって参りました。

こんな年寄りでもよければ、ぜひ仲良くしてくださいませんか?

 

 

 

アイコンの写真が絶妙なアングルであったため、顔はよく確認できなかったが、全体の雰囲気から察するに、いい人ではありそうだった。

――そして、その人のプロフィールページに飛んでぶったまげた。

職業欄に「医者」

年収は4000万円

これ釣りか詐欺かなんかか?と警戒しつつ、なんか面白そうなのでメッセージを続けることにした。

 

出会い系サイトでは、女性は利用料完全無料であるのに対し、男性はメッセージを送るのにもコストがかかる。

なので、早めに外部*3に誘導しようとする男性は、たかだかメッセージ代をケチる程度の男でしかないので、「パパ」としては見込めない。即ち切る。「悪・即・斬」というのが「るろ剣」のみならず、「パパ活」でも定石であるようだ。

 

だが、この男性、なかなか自分の話を続ける。今日はどこそこに出張だの、今晩は会食だの。

 

すなわち、お金は持っているように思えたが、人生斜に構えまくってるクソ女の私は「あら~自分を医者って思いこますために必死なのね~」と上から目線であった。一体何様だろうか。

気が付けば、丸2日サイトのメッセージボックスでやり取りをしていたのだった。

 

 

 

  

 

 

 

「パパ」の正体に気づくまで


 なかなかしぶとくメッセージを続けてきた「パパ」が、やっと私を外部に誘導した。

LINEを提案してきたものの、さすがに抵抗があったため、フリーメールでやり取りを続けることに。

「パパ」は私を気に入ってくれたようで、「もしかして、君は僕の最後の愛人になってくれるかもね」とぼやいていた。ちょっとさすがにそれは重いが。

 

ちなみに、この時点で分かっていた「パパ」のスペックを整理すると、以下の通りである。

 

  • 62才
  • 医者(自称)
  • 既婚者
  • 年収が4000万円(自称)
  • 別荘を持っている(写真を送ってくれた)

 

 

まだ確信を持てないところも多かったため、私も半信半疑ながら連絡を取っていたが、「パパ」が送ってきたある写真によって、その疑念は払拭されることとなった。

 

 

 

昔、医療雑誌に掲載された僕の写真だよ(^-^)

10年前だし写りは余りよくないけど、アコ、僕のことを嫌いにならないでね? 

 

  

 

 ほうほう、と思いながらその添付されてきた写真をグーグル画像検索にかけると、地方の大学病院のホームページが検索に引っかかる。

 

一番最初に出てきた「○×大学付属病院 △△長のお言葉」というページをクリックすると、そこには、今メールで送られてきた画像と全く同じものが貼りつけられていた。

 

「え?え?」と半ばパニックになりながら、その○×大学付属病院 △△長という方の本名をGoogle検索バーに打ち込むと、wikipediaの記事が。

 

そこに書かれていた壮大な職歴は、これまで「パパ」が自分の昔話として話していた内容と、ばっちり整合性がとれていた。

 

 

 

えらいこっちゃ…

 

 

  

 

「パパ」とのアポイントが成立するまで


メールのやり取りを続けるうちに、ついに食事のお誘いが。

「パパ」から週末の夜にディナーに行かないかと言われたのだが、安全を考慮し昼間の都内某所でランチをいただくことに。

 

予約は僕がばっちりしておくので、アコは来るだけで大丈夫です♪
食事の後に、お小遣いをあげますね

 

 

マジか、本当にいいのか…。

あまりにも簡単に「パパ活」市場に潜入できたことに拍子抜けする。

しかし、出会い系で釣れた100人のうち1人ぐらいはこのような人がいるものなのだろうか。 

 

 

はい💛✨お気に入りのワンピースを着て伺いますね!!(*^-^*)

楽しみにしています♪

 

 

 

と、女子大生っぽいピュアな絵文字と清楚な印象を与える敬語をブレンドした渾身のメッセージを送り、下準備は完了した。

 

 

 

 

 

 

 

 

ついに「パパ」と……


その週末、私は都内の一等地にある高級ホテルの前に立っていた。

もはや待ち合わせ場所がこんな豪華なホテルのロビーだと、相手のスペックを疑う余念もない。間違いなく金持ちのニオイがする。とんでもねぇ人を引っ掛けてしまったもんだ。

荘厳な外装を目の前に今すぐ逃げ出したくなるが、グッと堪えて「パパ」の待つロビーへ。

ロビーのすぐ脇にはホテルのレストランで優雅に食事をとる人々の姿が見える。

一瞬そちらに気を取られたものの、「パパ」は案外すぐに見つかった。

 

互いに軽く挨拶を済ませたが、パパは私が写真の女性と若干違うことにやや何か言いたげであった。しかし、実際みんなそんなもんだ。誰だって写真は200%マシだから気にするな。

 

 

何事もなかったかのように、「じゃ、私たちも食べましょうか」とホテルのレストランへ向かおうとしたのだが、そんな私を「パパ」は制止した。

「僕たちが食べるのはそんな安い所じゃないよ?」

いや、そんな安い所って、そのホテルのレストランもフルコース1万円ぐらいしそうなお店なんだけど。

 

私は、待ち合わせ場所がホテルの中だったので、ホテルのレストランで食事すると勘違いしていたが、どうやら、「パパ」の連れて行ってくれるところは、一見さんお断りの知る人ぞ知るレストランなのだという。慣れないヒールをガタガタ言わせながら、ヒヨコのように「パパ」の後ろを歩いて行き、ついた先は、地下にある薄暗い入口の、看板さえ出ていないフレンチのレストランであった。

 

 「パパ」が扉をノックすると、ボーイさんが4~5人出て来て、私たちを出迎えた。

私のような人間が一生拝めるような場所ではない。完全に場違いであった。

「パパ」は顔なじみのボーイさんと会話しているが、私は落ち着かずアホみたいにあちこちを見渡す。なんかよくわからん西洋画がたくさん飾ってあり、他にいた客もみな殿上人に見えた。

 

「その絵は全部本物だよ。時価数百万ぐらいのものが多いかな。」

 

ボーイさんに椅子をひかれながら着席した「パパ」が答える。

パパ活市場に潜入したつもりが、別のところに潜入していたようだ。やべぇ。

 

その後、値段の書いていないフルコースのお品書きを見ることになるが、もはや味さえも分からなかった。

ただ、前菜でやってきた「たんぽぽのソテー」は、噛んだ瞬間に野原を思い出させる食感だった。たんぽぽを食べたのは生まれて初めてだったし、多分これからもないだろう。あとはなんか高級なものを少しずつ食べた。ぶっちゃけ、私のような庶民にとっては違いも何も分からないし、それよりも普段履きなれていないヒールを履いたので靴擦れが半端じゃなかった。そちらの方が気がかりであった。

 

私は「パパ」との優雅な時間を壊さないように、赤べこのごとく、ひたすら頷き話を聞いていた。

 

 

デザートまで、一通りのフルコースを終えると、「パパ」に化粧室に行くよう促された。テメェのきたねえ面を洗ってこい的な意味なのかと思い一瞬ヒヤリとしたが、食後女性を化粧室に連れて行き、その間に男性が会計を済ませるというのは上流階級の皆様の間では常識なのだという。案の定、戻ると会計が終わっていた。

口直しの水がワイングラスに注がれており、「パパ」が私に封筒を渡した。

 

「これ、約束の『お車代』ね」

 

店を出ると、「パパ」は「また連絡するからね」と会釈して、都会の雑踏に消えていった。だが、あれからもう一度も連絡は来ていない。写真が200%マシだったからね。

 

帰りに封筒を開けると、二万円が入っていた。

 

 

 
 

 

 

なぜ男性たちは「パパ」になるのか



  

食事のときに、恐る恐る聞いてみた。

 

「あの、こういうのって結構されてるんですか?」

「そうだね。ただ、誰でもいいってわけじゃないよ。ある程度教養があって若い女の子と楽しく過ごしたいだけなんだ。僕はお金はあるんだけど、妻とは本当に婚姻関係にあるだけの夫婦って感じ。疎遠だし、互いに仕事も忙しいし」

 

 

奥さんもバリバリの実業家らしく、物理的にも心理的にも結構すれ違っているそうです。

 

 

「つまり、細く長く会える子を探しているんですか?」

「うん。その見返りとして、僕は『お小遣い』をあげてるんだよ。僕の寂しさを紛らわせてくれるお礼にね」

 

 

 

「パパ」が今までそうやって付き合ってきた子は何人もいるらしい。直近で付き合ってた女性は、今年の二月に結婚をすることになり「パパ」関係が終焉を迎えたという。

 

つまり、「パパ活」とは、男性側の視点から見れば、お金のある裕福な男性が、寂しさを埋めてくれる女性を探すための活動であるという。

「パパ活」がキャバクラなどと他の疑似恋愛を売り物にしている商売と異なる点は、「細く長く」にあると見た。ワンナイトラブの時代は去り、頻度は少なくても定期的に会い、関係を深めていくことに楽しみを見出すミドルたちが多いようだ。

 

以上より、「パパ活」は高度な疑似恋愛を求める大人の男性と、リスクが低いライトな水商売を求める若い女性――特に時間に融通の利く女子大学生が入り混じる場所であった。

 

 

他の「パパ」に出会えばまた色々な話が聞けそうだが、もうしばらくはやりたくない。

パートナーへの罪悪感も去ることながら、とんでもない権力者を釣ってしまったことに少々驚きを隠せず、しばらくこのテの話題は食傷気味になりそうだ。

 

 

 

(2017年に他サイトで公開した記事をリブログしました)

 

*1:出会い系サイトでは年齢確認を済ませないとすべてのサービスが利用できないようになっている

*2:ホテル別2万円で僕とセックスしてくださいの意

*3:LINEやカカオトーク